教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪

集中力と想像力、アイデア力を育む「読み聞かせから描くお話の絵」~耳で聞いた内容を絵に描く

幼稚園くらいから絵を描く時によく登場するテーマ「お話の絵」。

大人が読み聞かせをして、気に入った1場面を絵に描くって内容です。

当教室でも年に一回カリキュラムに取り入れています(^^

定番って感じもしますが、子どもたちが取り組むようすを見るたびに難しさを感じるテーマです。

難しいからこそ、子どもたちにとって大きな学びになるのではないかな~。

今回は「集中力と想像力、アイデア力を育む「読み聞かせから描くお話の絵」~耳で聞いた内容を絵に描く」について書いてみたいと思います(^^

聴覚から得た情報を視覚的に表現する難しさ

物語を絵にすると言っても、「自分で文字を読んで絵にする」のと「耳で聞いた物語を絵にする」のでは違いがあると思います。

  • 自分で文字を読む=視覚
  • 物語を耳で聞く=聴覚

って違いなのかなって想定しています。

文章を読んで絵にする場合、理解しづらい箇所は読んだりってできるわけですが、誰かが読んだ文章を絵にする場合、その言葉たちはどんどん流れていってしまう…

ただお話を聞いて楽しむだけなら良いけど、細かい場面を絵に描こうとすると思い出せなかったり、はて、どういうことだっけ?って思うことがたくさんでてきます。

なので、お話を絵に描く目的で聞く場合、かなりの集中力が必要になると思います。

また、耳で聞いた言葉を映像として頭に思い浮かべる想像力、イメージ力も必要ですね。

集中してしっかり聞いて物語の全体をとらえる

その物語の中から自分が描きたい場面を選ぶ

選んだ場面を映像として頭に思い浮かべてそれを平面(紙)に落とし混む…

むむ。

これって、大人でも相当難しい、って思っちゃいますね(^^;

逆に言うと、お話を読み聞かせして絵に描くってことをしていくと、絵に描くって目的でしっかり聞く集中力、耳で聞いた言葉を映像にするイメージ力や想像力が育まれるのではないかなって思います。

幼児クラスでの「読み聞かせから描くお話の絵」の思い出

内容的には深いですが、特別な準備がいるわけではなくてどんな年代にも取り組みやすい読み聞かせの絵。

私が以前お手伝いしていたある絵画教室の幼児クラスでもたびたびやっていました。

当時の幼児クラスの年代は年中さん年長さんメインだったと思います。

4才から6才くらいの子どもたちですね。

そのお教室には世界や日本の物語を簡略化した物語集がありまして、ほんの数分で読める物語がたくさん掲載されていました。

その中から、幼児でも分かりやすそうなお話を選んで読み聞かせをします。

目を閉じてしっかり聞いてね~って感じで、集中して聞いてもらえるようにしていましたが、お話を読み終わってからそれぞれどの場面を描くか決めてもらうと、ほぼ全員

最初の場面か最後の場面

なんですね(^^

そのお教室の先生がおっしゃっていましたが、幼児クラスだと大抵の場合そうなるそうです。

耳で聞いてお話全体をとらえることがいかに難しいか、ってことですね。

聞いてその場を楽しむだけではなくて、耳で聞いた物語から場面を絵に描くために必要な情報をキャッチすることの難しさを考えさせられるな~って思います。

認知特性による得手不得手?

ということで、「読み聞かせでお話の絵を描く」ってテーマは取り入れやすい内容でありながら、ちゃんと取り組んでもらうと相当奥が深く難しい内容だってことが分かると思います。

ここでひとつ、指導する側として気をつけたいなって思っていることがあります。

それは、

得手不得手がある

ってことです。

まぁ、どんなことだって得意な子もいれば不得意な子もいるわけですが、簡単に取り入れやすいテーマだからこそ気をつけたいなと思っています。

神経心理学の分野で使われている言葉で「認知特性」というものがあります。

医学博士の本田真美さんの書籍に詳しく書かれています。

医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン

頭の良さ…っていうとなんとなく抵抗を感じなくもないタイトルですが(笑

頭の良さ=テストの点数が上がる的な内容の本ではありません。

認知特性とは「外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法」のことで、人それぞれ生まれ持った思考や認知の特性があるそうなのです。

その特性は

  • 「視覚優位者」…見た情報を処理するのが得意
  • 「言語優位者」…読んだ情報を処理するのが得意
  • 「聴覚優位者」…聞いた情報を処理するのが得意

にわけられ、さらに細かくわけると認知特性は6つのタイプに分かれられるのだそうです。

参考までに書いてみると

  • 「視覚優位者」…写真(カメラアイ)タイプ
  • 「視覚優位者」…三次元映像(3D)タイプ
  • 「言語優位者」…言語映像(ファンタジー)タイプ
  • 「言語優位者」…言語抽象(辞書)タイプ
  • 「聴覚優位者」…聴覚言語(ラジオ)タイプ
  • 「聴覚優位者」…聴覚&音(サウンド)タイプ

の6つのタイプだそうです。

ちなみに私はあてはめてみると言語映像(ファンタジー)タイプかな~って思っております。

視覚でとらえるのが得意な子も入れば言語が得意な子、聴覚でとらえるのが得意な子、当然と言われれば当然かもしれませんが、それぞれ得手不得手があるのですね。

なので、物語を耳で聞いて映像にする作業が得意な子も入れば苦手な子もいる、ってことを理解した上で指導しなくてはいけないな、と思っています。

読み聞かせで内容を把握しきれなかった=真面目に聞いていなかった

ってことじゃないかもしれない…。

本人なりに一生懸命聞いていたのかもしれないし、子どもたちの様子を見てそこはしっかり認めてあげたいですよね。

難しいからこそ楽しんで取り組んでもらいたい

大人が絵本を読み聞かせして子どもたちに物語の絵を描いてもらう…

どの年代でも取り組みやすいテーマではありますが、耳で聞いた物語を絵にすることの難しさ、実は奥が深い制作内容なのではないかと思います。

そして、得手不得手の差が大きい内容なんじゃないかな、とも思います。

そういった難しさを踏まえた上で、だからこそ育まれる集中力や想像力、アイデア力。

絵に描くっていうことを意識してお話を聞くだけで、いつもとは違う集中力が発揮されるのではないかなって思います。

ご家庭でも読み聞かせをして子どもたちに本に親しんでもらう機会を作っていると思いますが、さらに絵に描くってことでまた違った楽しみ、そして成長につながるのではないでしょうか(^^

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