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表現の幅を広げ作品の完成度を上げる!水彩絵の具のグラデーションのやり方とコツ

先日絵画教室で質問されたのですが、

「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」

高学年くらいになってきて水彩絵の具を使うことにもなれてくると「もっとカッコいい塗り方をしたい」「もっとこんな風に表現したい」って気持ちが出てきます。

で、使いたくなる技法が「グラデーション」。

ということで、今回は「表現の幅を広げ作品の完成度を上げる!水彩絵の具のグラデーションのやり方とコツ」ってことでお送りします♪

グラデーションとは

グラデーション(gradation)とは、図面の中で、位置に対して色が継続的に変化することである。
(Wikipediaより)

絵の具で色を塗る時のことで言えば、ある面を塗る時に色が段階的に変化すること
ってことですね。

絵を描くとき、例えば葉っぱを緑一色で塗るのではなくて、黄緑から緑へ、とか、黄色から黄緑へ、とか変化させながら塗ることです。

グラデーションの形としては、

  • 直線的に変化していく
  • 1点から放射状に広がりながら変化していく
  • 塗る面の形に添って変化していく

などがあります。

グラデーションの色の変化について

グラデーションの色の変化は

  • 同一色の濃淡による変化
  • ある色から別の色への変化

があります。

塗り初めの色から塗り終わりの色までは段階的に滑らかに変化し、中間地点は2色の色の中間の色になります。

【同一色の濃淡の変化】

赤から白へ変化するグラデーションの場合は

赤→赤と白が混ざった色(ピンク)→白

【ある色から別に色への変化】

赤から黄色へ変化する場合は

赤→赤と黄色が混ざった色(オレンジ)→黄色

となりますね。

ある色から別の色への変化するグラデーションの場合、ある問題があります。

それが、冒頭に書いた

「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」

って質問につながるわけですが、

グラデーションにしたい2色が反対色だったり、2色を合わせたときに三原色のうちの三色が混ざった場合、中間地点の色が濁ってしまうのです。

ある色から別の色への変化させるグラデーションの問題点

絵の具の三原色

赤・青・黄色

のうち、三色が混ざると彩度が下がり、色が濁って見えます。

つまり、

  • 赤→青
  • 赤→黄色
  • 緑緑(青+黄色)→黄色
  • 青→緑(青+黄色)
  • 青→紫(青+赤)

などは三原色のうちの2色しか使われていないので、グラデーションにしても大丈夫。

でも、

  • 赤→緑(青+黄色)
  • 紫(青+赤)→黄色

など、

グラデーションに使う2色を合わせた時に三原色が全部含まれると、グラデーションの中間地点は三原色が混ざり合った色になり濁ってしまいます。

赤→緑(青+黄色)

↑赤と緑の色が混ざり合う場所は色が濁っています

これが、先ほどの問題

「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」

ということなのですね。

グラデーションをした場合に色が濁らないようにするには

さて、では

「夕暮れの空をオレンジから紫のグラデーションで塗ろうとしたら、なんか色が汚くなっちゃった。グラデーションってどうやって塗ったらいいの?」

ですが、

オレンジ(赤+黄色)→紫(青+赤)

なので、グラデーションの過程で三原色が混ざり合ってしまいます。

その場合の解決策として提案したのは

オレンジと紫のグラデーションの間に、オレンジと混ぜても紫と混ぜても大丈夫なクッションとなる色を入れる

ってことにしました。

下記の図をご覧ください。何度も出てくる「色相環図」です。

この図のオレンジと紫の間にある色をグラデーションに追加しました。

オレンジと混ぜても紫と混ぜても、三原色の2色までにしかならない色…

っていったら赤ですね。

オレンジ→赤 は濁りません
赤→紫 も濁りません

なので、オレンジ→紫、ってグラデーションにする場合に、オレンジから紫へ直接変化させるのではなくて、色が変化する中で濁らないようにするためのクッションとなる色を追加して、オレンジ→赤→紫というようにしました。

ちなみに、今回の夕暮れの色の変化は優しいイメージにしたかったので赤ではなくてピンクを使いました。

オレンジ→(ピンク)→紫

です。

またはオレンジの濃淡のグラデーションと紫の濃淡のグラデーションを連続的にする、という方法もあります。

オレンジ→白→紫

※今回説明しているグラデーションで濁らない方法ですが、不透明水彩絵の具(学校絵の具)で子どもたちがやりやすいのではないかな、と思う方法を説明しています。

絵の具の種類などによっては他にもやり方があると思います(^^

子どもたちが使う不透明水彩絵の具でのグラデーションのやり方

子どもたちが使う不透明水彩絵の具(学校絵の具)でのグラデーションの方法です。

最初にグラデーションに使いたい2色の絵の具を多目に作っておきます。

最初に濃い色から筆を同一方向に動かしながら塗っていき、半分より多めに塗ります。

最初に塗った色が乾かないうちに反対方向からもう一色の色を塗り始め、中間地点は混ざり合うように(色の境目ができないように)滑らかに伸ばしながら塗ります。

コツとしては

  • 手早く塗る
  • 筆を動かす方向は一方向にする
  • 一度塗ったところから逆戻りしない

などになります。

いずれにしろ、やり方を知ったらあとは

慣れ

です!

練習してみましょう(^^

色の変化で表現の幅を広げるグラデーションをやってみよう!

空をただ一色で塗るよりも、

地平線の薄い青から空高く広がる濃い青へ

夕暮れ空もオレンジ一色で塗るよりも

夕陽の色が反映したオレンジから紫が買った夜の色へ

葉っぱ1枚塗るにも、緑一色で塗るのと、黄緑から恋緑へ辺家するようにグラデーションを使うとまたニュアンスが変わりますね。

ってことで、まったく同じ下描きでも、着色の技法で絵の印象は大きく変わります。

とくにグラデーションは子どもたちが憧れる(?)っていうのか、「やってみたい!」って思う技法の1つでもありますので、ぜひ、コツをつかんで制作に取り入れてみてくださいね(^^

 

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