教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
3.102018
「自画像」や「お友だちの顔」を描く時に役立つ、人の顔を描くときのコツ
↑この写真は人じゃないニャー
人の顔を描くには、ってことを子どもに説明する時に、陰影とは!質感とは!とかいう以前の問題として、大人だったら「当然」って思えることが、子どもたちは認識できていない場合があります。
大人の感覚で
「毎日鏡くらい見るんだから、それくらいわかってるでしょ?」
って思うかもしれないですが、見ているようでいて認識できていないことってたくさんあって、認識できていないってことは絵に描けないのです。
なので、絵画教室で自画像や友だちの顔を描くテーマのときは、まず「そもそも顔ってどんなパーツでできてて、それは顔のどの位置にあって、全体の中でどれくらいの大きさ?」みたいな話を最初にします(^^
今回は学校の図工でもよく出てくるであろうテーマ、「自画像」や「お友だちの顔を描く」なんて時に役に立つ、人の顔を描くコツ・初歩の初歩、とでもいいましょうか、まず描き始めるにあたってこれ知っとくと役に立つよ、ってことをご説明いたします(^^
※顔とはこうである、といった個性を否定する内容ではありません。
※指導しないで自由に描く方がいい、という考えの方を否定するものではありません。
この内容は私が絵画教室をやっている中で、子どもたちにわかってもらうと絵が上達し、絵を描くことがもっと好きになるのではないかな、って思ったことを書いております。
いろいろな考えの方がいらっしゃると思いますが、もしも考えが合わない方はページをそっと閉じてくださいね(^^
低年齢の子がつい描きがちな顔の絵から見る、子どもたちが認識しづらいこと
普通にラクガキなどをする場合、皆さん思い思いの描き方で楽しんでくださいね(^^
でも、学校の図工などで、自分の顔を良く見て描きましょう、お友だちの顔を良く見て描きましょう、なんて時はどうでしょうか。
子どもって、言葉で「よく見て」と言われても、実際にはちゃんと見ていない場合がよくあります。
【参考図1】
上の【参考図1】は、年少の子が描きがちな顔の特徴をいくつか取り入れて描いたものです。
自分の顔を良く見て描きましょう、って言われても、特に事前に顔の特徴などについて解説をしないで自由に描いてもらった場合、この絵のような特徴を持った絵を描くことが結構あります。
・耳がない
・頭頂部がなく、前髪部分までしか描かれていない
・首が細すぎる
・肩幅が狭すぎる
・眼球を縦長に描いてしまう
・鼻の形状を描けない
などなど。
絵を描く時の「よく見る」こととは
「よく見て描いてね〜」っていうと…
「よく見て描いているよ〜」って子どもたちは答えます(^^
で、絵を見ると、「ぜんぜん見ていないな」って思うこと、よくあります。
特に、頭部全体を認識できずに、お面のように顔部分のみ描く描き方は、年少のお子さんによく見られます。
頭頂部の丸みがなく、前髪から上をスパッと切ったように四角かったり…
耳が描いていなかったり…
絵を描くときのよく見るとは、ただ眺めるってことじゃなくて、
見てしっかり認識する
ってことなんですが、それが小さい子どもほど難しいんですね。
大人からしたら
「えー!毎日鏡くらい見てるのになんでわからないの?ちゃんと見ていないんでしょ!」
って思いたくもなりますが(笑
目で見ても認識できていないのならやっぱり描けません。
そこで、当絵画教室では、自画像などの顔を描くテーマのときは、子どもたちが見るべきものをしっかり認識できるように、事前に簡単な解説をしています。
顔描く時に必須な、顔を構成するパーツは何?
最初に説明するのは顔を構成するパーツについて。
「顔全体の形ってどんな形?」
「顔の真ん中にあるのは何?」
「顔の中で2個あるものは?」
「頭のてっぺんからおでこにかけての中身は何がはいっているの?」
「みんな、鼻の穴ある?鼻の穴ない人~?」
なんて、クイズのような感じで、子どもたちがすぐに答えられる簡単なことからスタートです(^^
さらに…
「鼻の両横の膨らみはなんて言うか知ってる人いる?」
「目の中の黒い部分はどんな形?」
「首って思ったよりも太いよね!なんでだと思う?」
「みんなの肩幅は頭と比べてどれくらい幅が広い?」
と、それぞれ鏡を見ながら確認してもらいます。
子どもたちは鏡を見ながら「ホントだ!」「肩幅って結構広いね」「ここに脳みそがはいっているんだね」って感じで面白がりながら認識していきます(^^
顔を構成するパーツたちは、どこにあってどんなところに注意して描くの?
さて、顔を構成するパーツにはどのようなものがあるかわかったところで、絵に描く上で気をつけてもらいたいパーツの位置関係や注意点について説明します。
下記の【参考図2】は顔のパーツの位置関係を図にしたものです。
※この図に個性はなく、平均的であろう位置関係を想定して描いています。
【参考図2】
絵画教室の子どもたちにはこう言った図に示しながら
輪郭とは?
目の位置は?
耳の位置は?
口と鼻の位置関係は?
首の太さや肩幅は?
眉毛は…
…………
…………
と言った感じで、おおまかな顔の位置関係について説明します。
それぞれ個性があるので、各個人はこの通りではありませんが、これを説明していないでただ「鏡を良く見てね」って言っても、子どもたちはとんでもない位置に耳を描いたり、輪郭の上の方に顔を描いてしまったり…。
といったことがあるのです。
なので、自分の顔をよく観察する前に、絵に描くにあたって、
顔のどの位置にそれぞれのパーツがあるものなのか?
どんなことに注意して描くのか?
ということを説明します。
基本的な構成を理解した上で、それぞれの個性を描く
ここまでで、顔を構成するパーツは何か?それぞれのパーツは顔のどれくらいの位置にあるものなのか?どういうところに注意して描くのか?しっかり認識できていると思います。
その上で、今度は鏡に映る自分の顔と見比べて、
自分の輪郭はどんな形だろう?
自分の目や鼻はどんな形だろう?
目は離れている?真ん中より?
たれ目?上がり目?
眉毛は上がっているかな?下がっているかな?
唇はどんな形?
耳の中は?(難しい!!)
まつげは?…
と、よくよく観察しながら描きます。
事前のレクチャーで、しっかり顔のパーツや位置関係について認識した状態で自分の顔を観察するので、まさに「よく見る」ことができ、自分の顔の特徴もしっかりととらえることができるのです♪
まとめ
今回は子どもが自分や友だちの顔を描く上で、技術的な問題以前に子どもたちに認識して欲しい、顔を構成するパーツの種類や位置関係の説明について書きました。
子どもたちが自分やお友だちの顔を上手に描くために理解するといいことをまとめると
・顔はどのようなパーツで構成されているか理解する
・それぞれのパーツはどのような位置関係になっているか理解する
・それぞれの形や大きさのバランスについて理解する
・自分の顔はどんな個性を持っているかな~と興味を持って描く
って事になるかと思います。
これからさらに着色や陰影などにより、よりリアルな人物像を描けるようになるわけですが、今回は「入口の入口」として、ごく簡単な(でも大切な!)内容をまとめてみました。
技術的なことは考えずに描く年代はあると思いますし、好き勝手にラクガキするならばバランス云々…なんて考えることもないのかもしれません。
でも、小学生になって「どうも人の顔を描くのが苦手!」「図工の時間の自画像がいやだ!」ってお子さんには、参考になるのではないかな?って思います。
ご参考になりましたら幸いです(^^
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