教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
9.252018
子どもが不透明水彩絵の具で白と黒を使うときの使い方と注意点
子どもたちが使う12色の絵の具セット。
どのメーカーのものを買っても必ず入っている白と黒。
この2色は無彩色と言って色味や彩度がない絵の具です
この2色の絵の具は他の色とは違う使い方や注意点が必要なんじゃないかな、って思います。
…ということで今回は「子どもが不透明水彩絵の具で白と黒を使うときの使い方と注意点」について書きたいと思います☆
無彩色の絵の具、白と黒
色には3つの属性があります。
- 色相
- 彩度
- 明度
の3つです。
3属性のうちの「彩度」がある色を有彩色、「彩度」がない色を無彩色、と言います。
白と黒というのは、3つ属性のうちの「色相(色味)」と「彩度(鮮やかさ)」がなく、「明度(明るさ)」のみによって表されます。
子どもたちが使う12色の絵の具セットのうち、白と黒以外の10色は有彩色。
白と黒の2色だけが無彩色。
ということで、子どもたちが絵の具を使う時に、白と黒に関しては他の色とは違う説明をいくつかします。
特に黒はうっかり使うと絵全体を台無しにしてしまう可能性があるので!
子どもたちにはしっかり教えたいところです。
↓有彩色と無彩色について詳しくはこちらをご参考にどうぞ(^^
子どもにはちょっと難しい?有彩色と無彩色とは
子どもたちが使う絵の具、不透明水彩絵の具(学校絵の具)について
白と黒の使い方の説明をする前に、子どもたちが使う絵の具の特徴について書いておきますね。
白と黒をどのように使うかって言うのは絵の具の種類によって変わってくるので。
子どもたちが使う絵の具は不透明水彩絵の具(の一種?)です。
通常使う分には不透明なのですが、不透明すぎると鉛筆で書いた下描きが消えてしまって絵の具が塗りづらい…
と言う子どもたちが悩みがちな問題を解消するために、サクラやぺんてるなどの児童が使う前提の絵の具においては、
不透明なんだけど水の量を多くすると透明度がある使い方もできる
という風に改良されているそうです。
なので、子どもたちが使う絵の具を不透明水彩絵の具と区別して「学校絵の具」と呼ぶ場合もあります。
※「学校絵の具」って言葉、私はあんまりメジャーな言葉ではない気もするので、ここでは不透明水彩と言う名称で書かせていただきますね。
不透明水彩絵の具(学校絵の具)は白を使う絵の具
子どもたちが使う不透明水彩絵の具は白を使う絵の具です。
例えば透明水彩絵の具の場合は、白い絵の具は使わずに白は紙の白を生かす、色の濃淡は水の量(絵の具の濃度)で調整します。
ですけど、不透明水彩絵の具の場合は紙の白は残さずに、白い部分は絵の具の白を塗ります。
※大人の方など自由な使い方をしている方はまた別かと思います。小学生が使う上での説明、ということでご理解お願いしますm(__)m
色の明度を明るくしたい時にも、絵の具に混ぜるお水の分量で色の濃淡を調整するのではなくて、白を混ぜることによって色の濃淡を調整します。
そのため、絵の具液の濃度はいつも一定になります。
子どもたちにはいつも、絵の具液の水の分量はちょどよくしてね、ということで、ちょうど良い加減の絵の具液の濃度を実践で教えます。
つまり、絵の具液の濃度いつも使いやすいちょうど良い加減にするためにも、混色で白を使うっていうことは必須なのですね。
白を使うときの注意点
- 白い部分は白い絵の具を塗る
- 色の明度を明るくしたいときは、白を混ぜることで調節する
ということで、絵を描いていて白い絵の具を使わないってことは滅多にありません。
基本的に水彩絵の具を使うときは最初に全部の色をパレットに出しますが、特に白は使う確率が高いので必ずパレットに出しましょう。
絵の具を塗る順番ですが、明るい色・薄い色から塗ります。
特にお子さんが白にしたい部分に白い絵の具を塗る場合は、最初に塗ったほうがいいです。
なぜかっていうと、混色で白を使っているうちにパレットの白絵の具に他の色が混ざってしまったりすることがあるからです。
私「ここ、白に塗りたいんじゃなかたっけ?ピンクになってるよ?」
子ども「白を塗ったらピンクになっちゃったの」
っていう摩訶不思議な会話がうまれることになります(笑)
きれいな白を使いたい場合は
- 白を白として塗りたいときは、最初に塗る
- 筆やパレットに他の色がついてしまっていないか確認する
といいです。
白は黒とともに無彩色=色味や彩度がない色です。
でも、筆やパレットに他の色の絵の具がついていてうっかり混ざってしまったら、色味がついて彩度が生まれます。
つまり、無彩色ではなくなり、白ではなくなってしまうのです。
黒い絵の具はパレットに出しますか?
白は必ずパレットに出しましょう
なのですが、では、黒はどうでしょうか?
私が以前に講師として働いていた絵画教室では
- 黒はパレットに出さない
- 黒や灰色を使いたいときは混色で作る
という指導方針でした。
黒はパレットに出さないって方針の理由は
- 無彩色の黒って自然にはほぼない
- 明度が最も低い黒を黒としてそのまま使うと絵の中で強すぎて浮いてしまう
- 混色に絵の具の黒を使うと色が濁る
といったことでした。
なるほど〜と思いますが、絵の具の黒を使うかどうか?絵画教室あとりえ・おーぱるの場合はケースバイケースです(^^
あくまで、私の場合は…ですが、子どもにどういう風に使いたいか聞いてみて、黒を使う必要性があれば使っていいと思います。
黒い絵の具を使うときの注意点
子どもが水彩絵の具を使うとき、黒は出さなくて良い
っていう考え方もあるくらい、使い方に注意が必要な黒。
なのですが、そもそも、年少のお子さんって結構黒が好きなんですよね。
小さな子は赤とか黄色とかはっきりした色を好む、といったことも言われますが、別に心の闇、とかじゃなくても、大人が思うよりも黒を使いたがります。
小さな子じゃなくて小学生でも、子どもはいちいち「有彩色がウンタラ…、無彩色だからウンタラ…」なんて考えて絵の具を使ってないと思うので、絵の具セットに入っていれば普通に黒も使います(笑
もしも絵の具の黒を使うのならば
- 黒を使う必要性はあるのか
- 絵の中で黒ばっかりが目立つ結果にならないか
- 混色に使う場合、明度や彩度を暗くするために他の選択肢もあるよ
ってことを伝えた上で使ってもらうといいと思います。
無彩色の白と黒、使い方のコツを覚えて絵に生かそう!
ということで、他の色とはちょっと違った使い方のコツが必要な白と黒。
ですけど、白がなかったら絵の具の色の明度を明るくするには水で薄めるしかないわけで、一定の絵の具液の濃度で塗ったほうがよい不透明水彩の場合はどうしたって白が必要なんですね。
また、使い方が難しい黒だって、使い方を覚えることで黒は使わないほうがいい、ってほどのこともないような…
※私の個人的な方針ですので、黒絵の具は使わないって方針に反対意見を申し上げるものではありませんm(__)m
例えば灰色を使いたい場合、三原色と白の混色で灰色作れるんですけど、三原色で灰色を作るために時間を使うよりも、全体の完成度を上げるために時間を使った方がいいんじゃないかな~って思います。
絵って部分を見るものじゃなくて全体を見るものですからね。
無限に時間をかけてよければ細かいところまで納得するまで混色で色を作るのもいいですけど。
あ、もちろん、学校の図工で黒は使わないで黒っぽい色も灰色も混色して作るって教えていただいた場合はその通りにしてくださいね。
当教室でも、学校の図工では学校または教えてくださる先生の方針を尊重してください、って言っております(^^)
無彩色無彩色…って今回はあれこれ書いていますが、別に絵画教室のときに小難しい解説をするわけではありません。
ですけど、絵の具セットに必ず入っている白と黒。
使い方や注意点などを知っておくと役に立つのではないかな〜、って思います♫
絵画教室あとりえ・おーぱる 体験教室お申し込みはこちらです♪
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