教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
9.282018
絵を台無しにしかねない?子どもが水彩絵の具の黒を使うときの注意点
前回、無彩色である白と黒って使うときに他の色とは違った注意が必要、という内容の記事を書きました
特に黒は使い方に注意したい色です。
教室の指導方針によっては、子どもたちに「不透明水彩絵の具の黒はパレットに出さないで」って指導する場合もあるくらいです。
でも、せっかく絵の具セットに入っているし、使いたいですよね?(笑
使いたい場合はどういうところに注意すればいいのでしょう?
…ってことで今回は、子どもが不透明水彩絵の具の黒を使う場合の注意点、です☆
※今回書くことは、教える先生や各絵画教室の方針によって考え方が異なる場合がある内容ですが、他の考え方を否定するものではありません。
いろいろな考え方の1つと言うことで、ご理解いただけると幸いですm(__)m
なぜ不透明水彩の黒を使うときに注意が必要なの?
子どもたちが水彩絵の具を使うときに「黒は使わない」「黒はパレットに出さない」といった指導をする理由としては、私が以前働いていた絵画教室では、
- 無彩色の黒は自然にはそうそうない
- 明度が最も低い黒を黒としてそのまま使うと絵の中で強すぎて浮いてしまう
- 混色で絵の具の黒を使うと色が濁る
ということを主に上げていました。
確かに、ですね。
私もそう言った指導方針に多大なる影響受けていますので、絵画教室を始めた最初のうちは、「黒は出さなくていいよ~」って指導していました。
最近はもっと適当…、臨機応変に考えています。
無彩色の黒って自然にはそうそうない
子どもって
髪の毛=黒!
って、いきなりベタっと頭に黒を塗ってしまって、せっかく下描きで描いていた髪の毛を台無しにしてしまったり
夜空=黒!
って、暗黒界のような真っ黒の夜空にしてしまったり…
子どもって自由、って思いたいところですが、案外髪の毛=黒である、とか、夜=黒である、みたいな固定観念を持っていることも多いのです。
鏡をよく見てね、キミの髪はそんな真っ黒?
って意識して見てもらって初めて、
あれ?絵の具みたいな真っ黒じゃないね
って気がついたりするのですね。
夜の空も絵の具の黒みたいに真っ黒じゃありません。
影も真っ黒じゃありません。
自然界の色にはチューブから出したまんまの黒(無彩色の黒)ってそうそうないのです。
ですけど、年少のお子さんになるほど色に関する知識のバリエーションも少ないわけで、単純な色を選ぶのや当然なのかなーって思たりもします。
黒をチューブから出したそのままの色で使うと強すぎて絵の中で浮いてしまう
これはなんとなくわかりますよね?
黒は明度が最も低い色(最も暗い色)で、色味や彩度もないため、絵の中にチューブから出したままの黒を使うと黒ばっかりが目立っちゃうっていうか、違和感が生まれてしまう場合があるのです。
絵の主役は黒!みたいな…。
なので逆に、デザイン的な作品で意図があって黒を使う、といった場合なんかはよいと思います。
子どもも高学年くらいになると、デザイン的センスが光る作品を作る子もいて、カラフルな背景にあえて無彩色の黒で…みたいなね。
描く本人の意図があって黒使っていい?って聞かれたら私はOKしちゃいます。
実際のところ、そういった意思を持って使うのでなければ、絵の具の黒をそのまま使うと悪目立ち?してしまうので注意が必要です。
混色で絵の具の黒を使うと色が濁る
例えば深緑を作りたい場合。
緑色の絵の具に黒を混ぜると、緑の明度が下がり暗めの緑ができますね。
落ち着いた色調を作りたい時、混色の知識がない場合は黒を混ぜるって発想をしがちですが、
深みのある色=暗い色
ってことじゃありません。
緑に反対色の赤を混ぜても、緑=青+黄色に赤が混ざることで三原色がすべて混ざり、彩度が落ちて深みのある緑ができます。
絵の中にちょこっと黒で混色した色があってもわからないかもしれませんが(絵は全体を見るものなので)あっちもこっちも黒を混ぜていたら深みのある色合いの絵、ではなくて、たしかに暗く濁った色調の絵になってしまうかもしれません。
不透明水彩絵の具の黒を上手に使うために
今まで描いてきたような注意点をもとに、黒を使う場合のアドバイスとしては
- 黒を使う必要性はあるのか
- 絵の中で黒ばっかりが目立つ結果にならないか
ってことを子どもたちにちゃんと考えてもらって使うといいと思います。
さらに、
- 明度や彩度を暗くするためには黒を混ぜる以外の選択肢もある
という、混色の知識が必要と思います。
混色の知識がなければ、暗めの色を作りたいときに黒を混ぜるって以外の選択肢が思い浮かびませんから。
私としては、混色については黒も上手に使えばいいと思っています。
例えば、髪の毛を塗る時に絵の具の黒だけだと黒過ぎておかしい。
茶色だと明るすぎる…。
って場合に、黒を混ぜて焦茶を作ってもいいと思います。
反対色を混ぜたりで焦茶を作ることはできますが、茶色を黒っぽくしたい、わけなので、黒を使っても別に違和感はないです。
あと、灰色を作りたい時。
三原色と白の混色で灰色は作れます。
この場合は色味のある灰色になりますね。
黒と白を混ぜて灰色を作ると、色味がない無彩色の灰色になります。
で、青みがかった灰色とか、暖かみのある灰色とか、色味のある灰色の場合は白と黒を混ぜただけではそのような色にはなりませんよね。
灰色をどの場面に使うかによっては、三原色と白の混色だったり、色と黒にちょっとだけ他の色を混ぜたり、
灰色=なんでも白と黒!
っていう思い込みはなくした方がいいです。
でも別に、白と黒を混色した灰色を使う場合があってもいいと思います。
っていう感じで、必要な知識をアドバイスした上で、臨機応変に対応したいものだな~って思っております。
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