教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪

絵を立体的に描くには…ものすご~く簡単な遠近法のお話♪

絵画教室の子どもたちがお友だちの作品を見て「わ~、上手!」って言う時、絵に奥行きや立体感がある絵ってことがよくあります。

年少のお子さんは立体感のある絵は描かない場合が多いですし、子ども的に見て「大人っぽくてすごい!」って思うのでしょうか(^^

昔まだ遠近法が確立していない時代…
洞窟の壁画などをテレビで見たことがあると思いますが、まさに平面的。

そうです、遠近法の概念が生み出されたおかげで、私たちは立体的にものを描くことができるようになったのです。

遠近法、透視図法、空気遠近法などなど、絵を立体的に描く技術はさまざまありますが、「難しそう…」って思われる方も多いと思います。

お子さんに説明する場合も難しく思われることが多いと思いますし、小さなうちは技法に捕われず伸び伸び描く方がよかったり…。

あまり小さいうちから技術的な説明ばかりにならないようにしたいものですが、子どもたちも「立体的に描く」ということには憧れ(?)があるようです。

というわけで、絵画教室あとりえ・おーぱるで一番最初にする簡単な遠近法入口の入口、の説明をご紹介します♪

※ここに書く内容は、私と違ったご意見を持つお教室や先生に意を唱えるものではありません。
あくまでも今までの経験に基づく個人的な考えですので、ご理解ください。
意見が異なる方は「こういう考えもあるんだなぁ」ということで、そっとページを閉じていただけると幸いです(^^

あたりまえのようですが、遠くにあるものは小さく見える

遠くにあるものは小さく見える、実際には人が住んでいるお家も、遠くから見ると豆粒みたいに見えたり。

ですが、小さな子どもが絵を描く時に、「距離の遠さに応じて実物よりも小さく見える」という概念はないことが多いですよね。

実際に見る日常の景色からも、遠くにあるものは小さく見えているわけですが、改めてそのことを「認識していない」場合も多いのです。

ものすごく遠くの場合はまだしも、室内で離れたところにあるもの、四角い紙の手前の幅と奥側の幅にも差があること、などはなかなか教えられずに理解するって言うことは難しかったりします。

なので、絵画教室では、窓からの景色を見せて「向こうにあるお家は本当は大きいけど小さく見えるよね」と理解してもらう、また、室内でも子どもの近くと少しはなれたところに同じものを置き、「自分から遠くにあるものは同じ大きさのはずなのに小さく見える」ってことを認識してもらいます。

大きさによって距離(奥行き)を描くことができる

まず最初に説明するのは、1本の道の話し。

まっすぐの道を上から見るとずっと同じ幅のまっすぐな道です。

子どもが絵を描く時、奥行き関係なく同じ幅のまっすぐな道を描いたりします。

↓まっすぐの道を上から見たところ

この道に奥行きをつけて立体的に描く場合、画面の自分に近い側を大きく(幅を広く)、自分よりも遠くにあるものを小さく(幅を狭く)描くことで「遠くまで続く道」の距離を表すことができます。

↓まっすぐな道を奥行きをつけて描くと…

 

さらに、描く大きさに大小の差を付けて距離を表現するために、子どもたちに説明するときに参考に描くのが、空を飛んで切る風船の絵です。

↓風船の大きさに大小をつけて描くことで、空に解き放たれだんだん遠くへ飛んでいくようすを表現しています。

この絵を描いて見せるとだいたいの子は「わ~、ホントに飛んでいってる感じ!」って驚きます(^^

ということで、近くにあるものを大きく、遠くにあるものを小さく描くことで、絵の中で奥行き(距離)を表現できるんだよ、って説明しています。

遠くじゃなくて、すぐ近くにあるものにも距離(奥行き)を描くの?

長く続く道や空を飛んで行く風船は遠くまでの距離があるものなので、最初の説明としてわかりやすいですが、では、静物画などですぐ近くのものを描くときはどうでしょうか?

近くにあるものでも短くても距離(奥行き)があるものなら、絵の中でそれを描くことで立体を表現することができるわけですが、子どもたちにとって距離が実感しづらいものなので説明も難しいですね💦

静物画を描くときにしいてある布やテーブルなどの四角いものを例にして説明するとわかりやすいです。

四角は真上から見ないと四角にならない

↓年少のお子さんがテーブルに置いてある不意ぐるみを描くとき、ぬいぐるみは正面から描いているのに、布は四角に描く子が多いです。

「布は真上から見ないと四角にならないよね?」
って、まずは席を立って真上からモチーフを見てもらいます。

布が四角だったらクマも真上から見た図になるはず…

↓布の形が四角になるように真上から見るとこんな感じ

布が四角になる場合は、布の上においてあるモチーフはクマのぬいぐるみの頭頂部しか見えないはずですよね?

皆さんは静物を描く時には机の上にあるモチーフを椅子に座って見ているので、正面の斜め上くらいから見下ろす視点になります。

実際にぬいぐるみは斜め上くらいからの視点で描いているのに、布やテーブルについては四角に描いてしまうのは「四角い!」って固定観念があるからからかな、って思います。

近くのものでも距離があれば遠近法を使う

距離が近いものでも距離がある限り、近くは大きく、遠くは小さくなる、ってことを説明し、実際にモチーフを見てもらい、認識してもらいます。

先ほどの一本道を描くときと同様に、画面の自分に近い側を大きく(幅を広く)、自分よりも遠くにあるものを小さく(幅を狭く)描くことで布の奥行きを表すことができます。

↓四角い布の上に置いてあるくまのぬいぐるみを、正面ななめ上くらいから見ると…

布の奥(距離がある方)を小さく(幅を狭く)描くことで立体的に見えますね(^^
すぐ近くにあるものは距離を感じづらいですが、最初に説明したまっすぐに続く1本の道を考え方は一緒です。

まとめ

絵画教室で子どもに奥行きを描く、立体を表現してもらう場合は、まずはこんな簡単なことから説明しています。

小学校でも高学年で遠近法を習うと思いますが、これくらいの説明だと低学年のお子さんにも理解しやすいと思います。

まとめると

・同じ大きさのものでも遠くにあると実物よりも小さく見える
・絵を描く場合も、手前を大きく描き遠くにあるものを小さく描くことで距離(奥行きを表すことができる)
・近くにあるものでも(短い距離でも)距離がある限り、近くと遠くの大きさの違いを描くことで立体的に描くことができる

ということになります。

子どもも成長に伴い「もっとこんな風に描けるようになりたい!」「こんな表現をしたみたい!」って思うもの。

ではどうしたらいいの?って時は、言葉での説明だけでなく、簡単な図にして説明してあげるとわかりやすいですよ。

もっとこうしたい!ってお子さんの意欲を楽しみながら形にできるよう、応えてあげたいものですね♪

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