教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
8.182018
絵がうまくなりたい!…なら、実物を見て描いてみよう
小学校で「実物を見て描く」って言えば、外ヘ出て実際の風景を写生するって感じでしょうか。
子どもたちの話を聞いていると、学校の図工で「静物」を描くことってあまりないみたいですね。
絵画教室で初めて静物画を描く、って子も多いです。
絵画教室ではなかなか外で写生する機会はないので、静物画を例にお話ししますが、絵が上達するためには「実物を見て描く」ってすごく勉強になります。
必要な技術力がなければ、自分の発想を自由に描くのも難しいですからね。
特に高学年くらいになってくると、自分が表現したいことがあるのにうまく描けないからイヤになっちゃう、って場合もあると思います。
なので、自己表現はうまいヘタだけではないけれど、本人が自分が描きたいものを表現できるようになるために絵が上達したかったら…
実物を見て描くってことをしてみるといいよ!というお話です(^^
写真を見て描くことと実物を見て描くことの違い
当絵画教室では写真を見て描くってテーマもあります。
以前にやったのは「写真を見て野生動物を描く」。
野生の動物を実際に見て描くことって…難しいですからね。
このテーマは子どもたちにはおもしろかったらしく、結構盛り上がりました(^^
というわけで、写真を見なくては描けないものもあるので、写真を見て描くことがダメなわけではもちろんありません。
あ、ちなみに、誰かが撮影した写真をそのまま絵にした場合は著作権の問題はあります。
写真を見て描くことがダメなわけではないですけど、絵の技術力を上げたいなって思ったら、
「実物を見て描く」
ってことをやったほうがいいです。
その理由としては、静物を描くにも風景を描くにも
実物を見て描くよりも写真を見て描く方が簡単だから
です。
これは、実際に描いてみると分かるのですけど、同じ静物のモチーフでも、写真を見て描くほうが実物を見て描くよりも簡単です。
なぜかって言うと
- 写真はすでに平面になっているから
- 写真に撮った段階で描く場面や構図がほぼ決まっているから
ってことなのかなって推測しております。
立体物を見て平面に表現する難しさ
小さいお子さんが絵を描くとたいてい平面的なものになります。
小学生になるとだんだん子どもたちも「立体的に描きたい」「本物みたいに描きたい」って願望がでてくることが多いです。
では実物を見て描いてみましょう、ってことなのですが…
- 実物=立体(三次元)
- 絵=平面(二次元)
- 写真=平面(二次元)
写真は平面(二次元)で絵も平面(二次元)
実物はt立体(三次元)で絵は平面(二次元)
となると
最初から平面になっている写真を絵(平面)に描くのは、立体である実物を絵(平面)に描くことよりも簡単なのは当然なのかもしれません。
以前に大人のクラスの方で、今まで通っていた教室ではいつも写真を見て描いていたって方が初めて実際のモチーフを見て静物画を描いて、難しさにびっくりされていました。
同じ何かを見て描くのであっても、写真と実物(立体)では頭の使い方が違うと言うか…。
だからこそ…
すでに平面になっている写真を見て描くのではなくて、立体である実物を見て平面の絵に表現する
ってことが、すごく絵の技術力を上げる上ではすごく勉強になるのだと思います。
写真に切り取られた世界を描くのではなくて、自分で描く世界を決める
実物を見て描くよりも写真を見て描く方が簡単な理由のもう1つ
「写真に撮った段階で描く場面や構図がほぼ決まっているから」。
例えば風景だったら360℃全部が描く対象の中から、自分でどこを描くか決めて、一部分を切り取って絵にするわけですが、写真を見て描くのだと、写真に撮った段階ですでに描く場面も構図も決まってしまいます。
つまり、写真をほぼそのまま写し取る、と言う作業で、
- 自分でどこを描くか決める
- 自分で構図を考える
って行程がないのですね。
静物にしても、写真に撮った段階でモチーフの配置も、光りの加減も、どの向きから描くかもほぼ決まっています。
モチーフは同じものだったとしても、
- どういう風にモチーフを並べようか?
- どの向きから描こうか?
- どちらから光が当たっているか?
などなど、構図を決める過程が写真に左右されてしまいますよね。
この自分でどこを描きたいか、どういう構図で描くか決めるってこと、すごく大事です。
子どもが自分で決めることの大切さ
そもそも子どもって生活の中で自分で決めるってことが少ないので、自分で決めることが苦手な子も結構多いように思います。
毎日着るもの、食べるもの…大人に決めてもらうことが多いわけですから、ある意味し方がないのかもしれません。
以前にご相談を受けた例ですが、学校で写生に出かけて
何を描くか決められなくて何も描くことができなかった…
ってお子さんがいました。
「何描くか決める」
「モチーフ自分で選ぶ」
「何色にするか決める」
絵に描くってことは、自分で選んで自分で決めなくてはならないことの連続なんですね。
なので、最初から写真で切り取られた世界を描くのではなくて、自分で何を・どこを描くか選んで、自分で構図を決める、ってことをぜひしてもらいたいと思います。
まぁ、私も普段は決めるのが苦手で、ランチのメニュー1つでもなかなか決められないタイプなんですけどね(^^;
絵の技術力を上げたいと思ったら…
以前のNHKの番組で、スペインの画家アントニオ・ロペスが
「写真を見て描いた絵は平板で感動の失せたものになる。必ず現場で描かなければならない」
といったことを言っていたそうです。
花を描こうと思って花を写真に撮って描くわけですが、花を描かずに写真を描こうとしてしまう…
写真そっくりに描くことに一生懸命になってしまうというのは、大人もそうかもしれません。
もちろん、先ほどの「野生動物を描く」ってテーマみたいに、写真を見なくては描けないものもあります。
外国の風景、宇宙、人だってなかなか実物を描く機会なんてないし、猫が大人しくモデルをしてくれるとは思えないし…。
なので、写真を見て描くことが悪いわけではないですが、
- 絵の技術力を上げたい
- 絵が上手になるために何か練習になることはないかな…
って思ったら、静物など気軽にできることから「実物を見て描く」ってことにトライしてみるといいと思います。
静物画って子どもたちは楽しいのかなぁ…??って思うけど、絵画教室あとりえ・おーぱるでは、子どもたちに自分で何を描くかモチーフを選んで自分なりに並べて描く…って意外にも結構盛り上がります(^^
自分で何を描くか決めて描くことが楽しいみたいです。
でね、大人だったら「難しそう…」って思わず避けちゃうような難易度が高いモチーフを躊躇なく選ぶところがまた子どものいいところですね(笑
絵が上手になりたい、って思ったら…
どんどん難しいことにチャレンジしてみよう!
私もがんばろっと。
絵画教室あとりえ・おーぱる 体験教室お申し込みはこちらです♪
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