教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
4.212018
背景を描く時に苦戦してしまうお子さんへのアドバイスと空気遠近法
小学校の図工でも、
夏休みの思い出を描く
旅行の思い出を描く
生活のようすを描く
なんてテーマを描く機会はあるのではないかなって思います。
主役を大きく描きましょう!|
…って、それは子どもたちにもわかりやすいことですが、じゃあ、背景は?
メインとなる人物やメインとなる風景じゃなくて、そのまわりのようすはどうしよう?
ということで、今回は生活画や思い出の絵を描く時の背景について、と「空気遠近法」についてです(^^
ここに書く内容は、私が絵画教室をやっている中で感じたこと、子どもたちに知ってもらうと絵を描くことがもっと好きになるのではないかな、って思ったことなどを書いております。
いろいろな考えの方がいらっしゃると思いますが、違う考えの方を否定する内容ではありません。
自分とは違う意見を不快に感じる方は、そっとページを閉じてくださいね(^^
まわりのようす(背景)が描けない!
例えば、子どもたちが「夏休みの思い出を描こう!」って時に
主役がどこで何をしているのか?しっかり描くとともに、まわりのようすも描くことになるわけですが、これが案外難しかったりします。
まわりは真っ白で何も描いていない…
自分たちのまわりのようすはどうだった?って聞くと
「まわりには何にもなかった」
「覚えていない」
なんて答えが返ってくることがあります。
まわりに何もない、なんてことはないわけですが…(笑
でも、まわりのようすまで事細かに覚えているなんて、誰だって無理ですよね!
それが、「何もなかった」「覚えていない」って言葉に表されているのかなって思います。
子どもって正直ですね(^^
自分なりの背景の印象を描く
お子さんによっては「ものを良く見る」タイプの子だったりで、「え~!こんなところまで覚えているの?すごい!」って場合もあります。
でも、まわりのようすまでは詳しく覚えていない、って場合のほうが多いと思います。
とはいえ、図工の時間に背景を何も描かないでいいかっていうと難しいですよね(^^;
何度か描く機会があったり、年齢的な成長してきて夏休みの思い出などを描くことに慣れていると、
大体こんな感じだったかな?
そういえば山が見えたかな?
お店がたくさん並んでいたな?
って、子どもたちも自分が覚えている大体の印象で描く、ってことができるようになるようです。
小学生の皆さんは学校の図工でもそうしているのではないですか??
じゃあ、
「まわりには何にもなかった」
「覚えていない」
ってお子さんはどうなの?っていうと、テーマに沿って描くことに慣れていないか、またはとっても真面目なお子さんなのだと思います。
まわりのようすも描いてね、って言われると
え〜!まわりのようすなんて覚えていない…
どうしよう描けない…(焦る)
って、別に手を抜いているとかってことじゃなくて、困ってしまう場合もあるんですよね。
そういう場合は、
まわりのようすまで完璧に覚えている人なんていないよ。
こういうときは、○○ちゃんが覚えている「こんな感じだったな」って印象を描いてみよう!
ってアドバイスします。
もちろん、このアドバイスだけで「あ!そうか!」って描けるわけはないので、
ハイキングしている山のまわりも山が見えた?
お祭りに行ったんだ!楽しそうだね!お店はたくさんでてた?
ママとお買い物に行ったんだ。どんなお店があったの?
おばあちゃんの家は田舎にあるの?
…といった、子どもたちが思い出の中の自分の印象を明確にできるような質問をします。
まわりのようすまで完璧に覚えている人なんていないんですから。
本人の心の中の印象を描けるように思い出を引き出してあげるんですね(^^
空気遠近法の話
子どもが背景の遠景を描くときなどに、背景まで細かく描かなきゃいけない!と思って苦戦する場合があります。
もちろん、絵のテーマになるもの、主役はしっかり描くわけですが、背景はどこまでしっかり描き込むのか?
さじ加減が難しいところですね。
そんなときに子どもたちに説明する技法の1つが「空気遠近法」です。
遠近法って言うと、子ども向けに簡単に説明するとものの大きさを変えて描くことで距離を表す技法です。
近くにあるものは大きく見える、遠くに見えるものは小さく見える、っていうことを、絵で表現するわけですね。
ですけど、遠近法と言うのはひとつではありません。
「空気遠近法」とは…
遠くの景色を見た時にぼんやりかすんで見えることがありますよね。
絵を描くときに遠くの風景をぼんやり描くことで距離を表す技法を空気遠近法と言います。
子どもたちに説明するときは、このようにごく簡単に説明するのですが、つまりは遠くの景色から何から何まではっきりくっきり細かく描く必要はない、むしろ、ぼんやり描くことで距離を表す技法もあるんだよ「、って話です。
絵を描く時にメリハリを付けて描くって、必要な場合が多いと思います。
この「メリハリ」って言葉が子どもたちにとっては曖昧でわかりにくかったりするのですが(^^;
全体を同じ強さ、同じ力量、同じ濃さ(色、彩度など)で描くのではなくて、力を入れてしっかり描く場所、あえてあっさりと描いた方がいいところ、を描くことで奥行きや表現豊かな絵になることがあるんですね。
だから、
まわりのようすを思い出せないことで悩まなくても大丈夫
自分の思い出のイメージを描けばいいんだよ
っていうのが、描き進める心を後押しするアドバイスなのではないかなって思います。
まとめ
メリハリ、さじ加減、などなど、表現する上での曖昧な概念って子どもたちにとってはわかりづらかったりしますね。
もちろん、どんな表現がベストかはその時々の作品にもよるし、「背景は適当でいいんだ〜」っていうことではありません。
でも、すごく真面目で描く時に悩んじゃうタイプのお子さんは
「もっと気楽に描いていいんだよ」
「自分の思い出のイメージを描くってことで良いんだよ」
なんてアドバイスが、作品を仕上げる力になるのではないかな、って思います。
楽しんで描きましょう(^^
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