教室ノート〜絵や工作が上達するためのヒント&オススメ工作など♪
1.122019
立体的に描く難しさ~クマがベッドの横に立っている…はずなのにクマが寝ている絵になる不思議
幼児から小学1、2年生くらいの子が描きがちなのですが、立体的に描こうとして展開図のようになってしまうこと。
はて?展開図?
…って思われたかと思いますが、絵を見たら小さいお子さんのいる方は、あ~、あるある!って思うかも。
小さいお子さんが絵を描く時に立体の概念がいかに難しいか、という一例でもあります。
ということで、今回は「立体の難しさ~クマがベッドの横に立っている…はずなのにクマが寝ている絵になる不思議」って内容で書いてみたいと思います☆
ベッドの横に立っているクマを描こうとしてクマも寝ちゃっている図
ある日、絵画教室では「お話の絵」を描いていました。
で、小学一年生の子が「クマがベッドの横に立っている」ところを描いたわけですが、それがこんな感じ
↓
ベッドが真上から見た形で描かれているのですが、クマは正面から描かれています。
ベッドの上にあるのは窓。
ベッドの横に立っているところっていうか、上空から見た展開図のようになっていますね。
この描き方は小さいお子さんが室内などの絵を描いた時に結構描きますので、小さいお子さんがいる方は「あ〜、こんな風に描くことあるな」って、思われるかもしれません(^^
描いた本人はベッドの横に立っているように描いたつもりですが、クマがベッドの横に寝ているように見えてしまいます。
ベッドもクマも、室内全体が平面として描かれています。
テレビやマンガなど、小さいお子さんだってたくさんの画像を目にする中で、人物が立っているようすが横向きに描かれているってことはないと思うんですが、なんでこういう絵を描くのかな~って、不思議です。
小さいお子さんに取って立体的に描くっていうのは難しいことなんだな~って感じる一例です。
この立体を意識しない空間の捉え方におもしろさを感じてしまうこともありますが(^^
やっぱり学年、年齢が上がるに連れて立体を平面に落とし込んだときの描き方については理解していた方がいいのかな、と思います。
ベッドを真上から描いた場合はクマも真上から見たようすになる
今回例にあげた話は「物語の絵」を描いていて、クマがベッドの横に立っている場面。
描いたのは小学一年生です。
「このクマ、ベッドの横に寝ているように見えるよ?
って言う前に、まずお子さんに「どんな絵を描きたいのか?」確認しました。
子どもそれぞれ、いろいろな意図を持って描いているので、大人(私)が勝手に「こう描きたいんだよね?だったらこうだよ」と決めつけないようにしたいな、と思います。
で、「部屋の中でベッドの横に立っているクマを描きたい」ことを確認してもらった上で、
「このクマ、ベッドの横に寝ているように見えるよ」
と言ってみました。
え?寝てるように見える??
年少のお子さんは最初は意味が分かりません。
そこで下記の図をご覧ください。
この絵はベッドを真上から見たところです。
ベッドを上から見たように描いたら、クマも上から見た絵になるよ。
クマを上から見たらどういう風に見えるかな?
頭のてっぺんが見えるよね。
って図にして説明すると年少のお子さんも分かりやすいと思います。
では、どのように描いたらベッドの横にクマが立っているように見えるでしょうか?
ベッドの横に立っているクマを描くには
では、ベッドの横に立っているクマを立っているように描くには?
横向きに描いていたクマを紙に対して縦にしてみます。
ベッドの置いてあるところは床。
窓のあるところは壁。
つまり、クマさんが床面に向かって垂直に立たせてみたわけです。
ま〜、実際にはベッドが真上から描かれているときは、クマも真上から見た図になるわけですが、これだけでも結構「ベッドの横に立っている」感じに近づいてきたのではないでしょうか?(^^
絵の中でどこが壁でどこが床なのか、クマは床面に対して立っているんだよ、ってことを説明してあげると年少のお子さんでも分かりやすいかな?って思います。
そしてさらに立体的に描く場合は、
マウスで描いたのでひどいイラストですみませんが💦
ベッドの後方面を描き、遠近をつけて奥行きを出す。
…ということで、ここら辺から遠近法の概念が登場するので、年少のお子さんには難しいところです。
遠くにあるものは小さく見える。
紙の手前側が自分に近く、奥側が遠くになるので、この図の場合ベッドの窓側(枕のある方)が小さくなりますね。
遠近法に関しては一年生さんは一度で理解するのは難しいと思うので、いろいろな絵を描きながら徐々に理解してもらえばいいな、と思います(^^
遠近法に関してはこちらでもご説明していますのでよかったらお読みください♪
絵を立体的に描くには…ものすご〜く簡単な遠近法のお話♪http:// https://atelier-opal.com/046-1010.html
まとめ
描いている本人は立っているように描いているつもりなのに、ベッドの横に寝ているように描いちゃうって小さいお子さんならではなんですけど、不思議ですよね(^^
立体の概念が生まれる前の、自由な空間表現のなせる技…って気持ちておもしろいな〜って思います。
太古の昔に壁画に描かれた人物や動物が平面だったように、三次元の世界を二次元的表現で描いたおもしろさってあるわけですが、遠近法や透視図法の概念が生まれてたおかげで立体的な表現が可能になりました。
子どもたちも年齢が上がるに連れて、平面的表現から立体的表現への進化(?)を求められる場面が学校の授業などでもでてくることと思います。
子どもたち自身も高学年になってくると、表現の幅を広げたい、立体的に描きたい、といった欲求は出てきますしね(^^
ある意味、小さいお子さんならではの表現。
立体を平面に表すことの難しさを感じるとともに、ちょっぴり楽しい気持ちになったりもします。
自由な発想力を持ちながら、さらに表現の幅を広げていってもらえるといいな、と思います(^^
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